WEB上では、商用コマーシャルの影響もあり、養液栽培の情報が溢れているが、この本で記載されている内容は従来の露地栽培ベースとしたより日本の風土に合わせてブルーベリーを育てるもの。
記載内容はとてもわかり易く、かつ実践的な内容でとても勉強になった。
個人的には、ラピッドアイはこの栽培手法+α、ハイブッシュは養液栽培主体で行くのが良いのではと思った。
このあたりは、また時間があったら、まとめてみたいと思います。
この栽培方法で育てた場合に、ピートモスによる土壌改善が必要だったブルーベリー栽培が大幅な土壌改善なしに可能となる。
要点は、以下の通りです。
1)元々土壌適性の強い品種を育てること
2)水やりよりも水はけを意識しマルチングは十二分にすること
3)肥料は、油かすと硫黄粉だけ
以下、解説です。
1)元々土壌適性の強い品種を育てること
・これまでのブルーベリー栽培は、ハイブッシュ系の特性を中心に作られて来た。
・しかしながら、ラピッドアイ系の特性を中心として栽培を考えることで、これまでのピートモスや養液栽培に頼らない栽培方法が可能になる。
※一部、土壌適性の高いハイブッシュ系も含まれる。
・ラビットアイは、元々野生種に近いので、とても強健な植物。そのため、ピートモス0で若干の土壌改善で植え付けが可能な場合がある。
→水はけが良い状態と土壌phの改善が必要になる。
2)水やりよりも水はけを意識しマルチングは十二分にすること
・よく見かける穴を掘って、ピートモスを突っ込む方法は穴を掘ったところだけ、土壌が柔らかくなり、周囲の土が固い状態になる。
その結果、穴に水が貯まるため、根腐りに繋がり結果的に良くない。
・経験則から頻繁に水をやるよりもマルチを十分にして乾燥しないようにする方が枯れない。
・実際に根の状態を見ても、植物自らが水を求めて根を伸ばす傾向があり、浅根で拡がるだけではなく地面深くまで根が張る。
→ちょっと自身の経験を追記しておくと、土壌適性が良くないところにダメ元で植えたブルーベリーがあり、1年経っても成長が見られなかったので
鉢上げをして、育成し直そうと掘ったところ、根が横ではなく縦に拡がっていた。
放置していたので、この栽培方法に近い形になっていたのかもと思い本書に記載あることに関して興味を持った。
3)肥料は、油かすと硫黄粉だけ
・化成肥料を与え過ぎるとブルーベリーは枯れる。
・ある程度土壌が肥沃な場合は、phを適切に保った上で有機物を適量与えれば成長する。